• ホーム
  • カルシウム拮抗薬ノルバスクについて知る

カルシウム拮抗薬ノルバスクについて知る

2019年08月03日
笑顔の医者

高血圧の治療薬として血圧を下げる効果を持つものを降圧薬と呼びます。
カルシウム拮抗薬ノルバスクはこうした降圧薬の一つです。

カルシウムは心臓の筋肉や脳の神経細胞の働きをコントロールするなど、生命にかかわる非常に重要な役割をしています。
食事のバランスが崩れることで、カルシウムの摂取量が不足すると、体が危機感を覚えて、骨に蓄えられていたカルシウムを取り出し、細胞に補給しようとします。
このとき、血中のカルシウム濃度が高くなってしまうことがあるのです。

血管の壁には、平滑筋という筋肉の細胞があり、この細胞にカルシウムイオンが取り込まれることで、血管が収縮して細くなり、血圧が上がります。
こうした血液中のカルシウムイオンの作用を邪魔して、血圧の上昇を防ぐ効果があるのがカルシウム拮抗薬ノルバスクです。

ノルバスクはアムロジピンベシル酸塩を主成分としており、血管の細胞にあるカルシウムチャネルと呼ばれる取り組み口を塞いでしまうことで、血管の収縮を防ぎ、血圧を下げる効果があります。

また、血管が狭まると、心臓は狭い血管に向かって血液を押し出すために強く収縮しなくてはならなくなります。
手動のポンプで水を送り出すときに、細いホースと、太いホースではどちらが楽に水を流せるか想像してみてください。
太いホースの方が抵抗が少なく水を送り出すことができますよね。
心臓もこれと同じ原理になります。
つまり、ノルバスクは血管の収縮を抑えることにより、心臓にかかる負担を減らす効果もあるのです。

ノルバスクは6歳以上の小児を対象に、小児用量が定められている降圧薬の一つであるため、小児高血圧患者の血圧管理にも頻繁に使用されています。

ノルバスクが血中での最高濃度になるのが摂取してから約6時間後、薬の効果が切れるとされる血中濃度半減期は約36時間後となっているため、効果が穏やかで長く続くと言われています。
一日一回の服薬で効果を発揮する手軽さも魅力です。

気を付けるべきはグレープフルーツ

子どもの摂取機会が多いからこそ気を付けたいのが、飲み合わせによる相互作用です。
薬は小腸や肝臓の代謝酵素によって、ある程度分解・処理され、残ったものが全身を巡って患部に効果を発揮します。
この代謝酵素の働き見越して、薬の開発は行われているのです。
ところが他の薬や食品との飲み合わせによって、代謝酵素の働きを弱めてしまい、薬が効きすぎたり、副作用だけが強く出たりする場合があります。

ノルバスクの服用時に気を付けたいのが、グレープフルーツなどフラノクマリンを含む柑橘類です。
フラノクマリンは、小腸上皮細胞にあるCYP3A4という代謝酵素を阻害してしまう作用があります。
ノルバスクの主成分であるアムロジピンは、CYP3A4の働きで、通常は小腸上皮細胞で吸収されるまでにある程度代謝されるため、血液中に入る薬の量は少なくなります。
しかし、グレープフルーツ中のフラノクマリン類がCYP3A4を阻害すると、代謝が抑制されてアムロジピンの血中濃度が高くなり、過度な血圧低下による低血圧を引き起こしてしまうのです。
この時に起こる頭痛、顔面の紅潮、めまいなどの副作用は、低血圧の症状によるものです。

グレープフルーツと薬の相互作用は数日間に及ぶとされ、薬の血中濃度が高い状態が3~4日持続することもあります。
この相互作用は、同時に摂取した場合に起こるとは限りません。
グレープフルーツの影響は非常に長く持続し、一般的に摂取後24時間程度に及ぶといわれています。
このため、ノルバスクを服用している間は、グレープフルーツや、フラノクマリンを含む柑橘類の摂取は控えるようにしましょう。
特にジュースは濃縮されている場合もあり、200ml程度の摂取で薬の効果の増強が報告されているため、注意が必要です。

カルシウム拮抗薬の中で、グレープフルーツの影響が比較的少ないと言われているノルバスクですが、効果を充分に発揮するためには、代謝酵素の働きを阻害しないに越したことはありません。
薬を服用する際は、医師や薬局の指導のもと、正しい服用を心がけましょう。

関連記事
低血圧の場合はどんな症状が引き起こる?

低血圧は血圧が正常よりも低い状態であることを言いますが、血圧の数値が低いことが必ずしも病的な状態であるとは限らないということから、重要視されにくい点があり高血圧に比べて明確な診断基準がありません。また低血圧の基準についての見解は臨床においても様々異なる場合がありますが、一般的にWHOの診断基準では血...

2019年12月03日
高血圧で恐れるべきは心筋梗塞と脳梗塞

高血圧症は、放置しておくとさまざまな合併症を引き起こします。特別な自覚症状がないため、怖い症状であることを実感することもなく過ごしています。健康に気を付けている人は、普段から塩分を控えたり、適度な運動をしていますが、運動が苦手な人や外食の多い人には高血圧の人が多くいるようです。血圧は毎回同じではなく...

2019年10月26日
頻尿と高血圧と腎臓の密接な関係

腎臓の働きと言えば、血液をろ過し、体内にたまった老廃物や余分な水分を排泄することや、造血ホルモンの分泌をすることにより骨髄で赤血球が造れるようにすること、また血圧のコントロールや体液量などのバランス調節にもかかわっています。それだけでも頻尿や高血圧と密接な関係であることがうかがわれます。この腎臓機能...

2019年09月30日
降圧剤の購入方法はどうする?

降圧剤とは血圧降下剤とも言い、高血圧である状態を緩和させるために使用する薬のことを言います。高血圧の状態が続くと、体内の血管が損傷し、それが引き金となって他の様々な病気を引き起こす可能性があるため、高血圧の人はこの降圧剤を服用することが望ましいのです。この降圧剤ですが、一般的には病院に行き医師による...

2019年09月05日
メインテートは心臓を選択して効果を発揮する

メインテートは心臓の拍動を抑制して血圧を下げる高血圧治療薬で、狭心症の発作を抑えたり不整脈の薬としても使われています。メインテートの主成分ビソプロロールフマル酸塩が、拍動を促すカテコールアミンが心臓のβ受容体に到達するのを遮断して心拍数の上昇を防いで血圧を上げないようにするため、β遮断薬あるいはベー...

2019年08月07日
高血圧を改善してくれるサプリはあるのか

高血圧にはサプリで対処することも可能です。病院で処方されるものと同じような効果が期待できる栄養素を摂取することで、軽度の高血圧には対処できます。もちろん、食材からも摂取できますが、効率的な補給を考えると、サプリを使用すると便利でしょう。まず、カリウムは利尿を促進することから、体や血液の余分な水分の排...

2019年08月11日
ACE阻害薬のオルメテックは妊婦注意!

ACE阻害薬の一つにオルメテックという薬があります。オルメサルタンという成分を含む薬で、高血圧症に対して用いられるのですが、これは妊婦は要注意です。要注意といっても注意して服用を続ければよいというような意味ではなく、はっきり言えば服用してはいけないとされている薬です。おそらく、医療機関でオルメテック...

2019年08月05日